2017年6月4日日曜日

銀の森

全く景色のない、飽き飽きした心情世界。
だから私は森を描く、と思う。
ああ、それで目の前に森があるんだと思う。
私の目の前には森が広がっている。視界を遮らないような形で、白い細かな凹凸のある壁が緑に塗りたくられる。
それも一辺倒の塗り方ではない、淡い色であったり濃い色であったり、その凹凸がいかにも森を表現しているような気がされる。私はこの視点から世界を作り上げている。
神の視座をもって何事かを物語っている。
銀色のしわくちゃにした紙、それは私の食べかけの板チョコの包み紙であるが、それというのが森の中にある、極めて人工的な工場のような気がしている。
私の視界にたえずぼんやりと映る、銀色の煙。
そいつは煙をたかだかと掲げている。

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